鉄 砲 串 鉄 砲 (名前募集中)
2010.11.27 西中島小 伊 藤 亮 吉
 子どもの頃、ゴムで物体を直接押すならともかく、串に刺した野菜がすぽっと抜けて飛んでいく姿にものすごく感激しました。夏だったのでスイカの皮を細かく切って弾にしました。スイカの皮を切っている姿を見て祖母が「男の子が包丁もって何してるの?」と言ったのですが、言葉に時代を感じさせますね。当たっても痛くないし、よく飛ぶので従兄弟と家中駆け回った覚えがあります。
 このときの台座の材料は竹でした。母親の実家には竹藪があって、竹の調達は簡単でした。色々な竹細工をしましたが、加工が簡単で、いろんな工作ができます。工作好きになったのも母親の実家に竹藪があったからと言っても過言ではありません。
 その後小学校の教師になってから、子どもたちに作らせようとしましたが、竹がない!!「竹なんかどこにでもある。」と思っていた私は、とうとうこの歳になるまで作らせることができませんでした。いろんな材料を探しましたが、円筒で硬さがあって加工がしやすくて、となるとなかなか材料が見当たりません。ところが!!!「トイレットペーパーの芯でつくるオカリナ」で遊んでいたとき「ピクピク」ときました。「この硬さなら何とかなるのではないか」作ってみたらうまくいきました。作るのも簡単です。
 かつて発達心理学者の滝沢武久先生に「アイデアは、どうすると生まれるんですか。」とお聞きしたら「強い問題意識と豊かな経験がアイデアにつながります。」と言われたことを思い出しました。40年来の問題意識と科学工作に携わってきた多くの経験が今回の材料発見につながったといえましょう。そういえば林(正)先生が「新しい技術が新しいアイデアを生みますね。」と言われました。豊かな経験の中に新しい技術も含まれると考えるとこれからもどんどんアイデアがわくかもしれません。
 それにしても、串がゴムに押されて一緒に飛ぶならともかく、串がピタッと止まった瞬間に勢いよく串から離れて飛んでいく現象を力学的に説明するとどうなるのでしょうか。
 @ 串が止まらないでそのまま飛ぶのと飛行距離は変わらないのだろうか。
 A 弾の硬さと飛行距離はどうだろうか。
 B 刺す強さ(摩擦力)と飛行距離はどうだろうか。
など結構理科的な課題があるように思います。せっかく量産ができるようになったのだからクラブ活動などで、このあたりを研究してみたいと思っています。
【完製図】
【作り方】
【輪ゴムの通し方】